退化した歯といわれている親知らず
人間の永久歯は上が16本、下が16本の計32本あります。
これは親知らずも含めた数ですが、 親知らずが生えていない方も多いことから、上14本、下14本の28本と数えられることが一般的です。
人の顎は硬いものを食べなくなったことで、年々小さくなっているといわれています。
そのため、親知らずの歯胚があり生えてくる予定の方でも、スペースがなく中に埋まることや傾いて本来の機能を果たせないことも多くあります。
また親知らずは一番奥に生えてくるため清掃もしづらく虫歯になってしまうこともあり、まっすぐに生えていて機能を維持できない限り抜歯の適用になる可能性があります。
こちらのページでは、親知らずの内容についてご紹介しています。
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目次
こんなお悩みありませんか?
- 親知らずに悩んでいる
- 親知らずが虫歯になってしまった
- 親知らずによる痛みがある
- 親知らずとは何か知りたい
- 親知らずの対処法が知りたい
- 親知らずを治療してほしい
親知らずについて
親知らずとは
親知らずとは第三大臼歯とよばれ、20歳を過ぎたころ一番奥に生えてくる歯です。
まれに30歳、40歳の年齢で生えてくる方もいらっしゃいます。
大人になり親が知らないころに生えてくることから、親知らずとよばれるようになったといわれています。
また、智歯ともいわれています。
親知らずが上下左右全部揃っている方は、日本人では少ない傾向にあります。
歯胚自体がない方もいらっしゃいますが、歯胚があっても「正しい位置に生えてこない」「顎の位置からずれて生えてくる」「斜めや横を向いている」「ほんのわずか口の中に生えてくる」などトラブルになりやすい状態で生えることもあります。
抜歯が必要かどうかは個々の口腔内をみて判断されますが、親知らず自体もしくはまわりの歯や歯周組織に炎症を引き起こすこともあるため早めの抜歯がおすすめです。
個々の状態に応じてリスクも異なります。
変な生え方をしている場合でも、トラブルやリスクがまったくない状態であればそのままにしておくことも可能です。
親知らずのタイプ
●正常な親知らず
何の問題もなく正常に生えている親知らずです。
手前の第二大臼歯と同じ機能を備え、ほかの歯と同じように噛むことができます。
まっすぐに生えている場合でもほかの歯より小さいことが多く、一番奥に生えているため清掃に手間がかかりますが、しっかりお手入れすれば維持できるものは問題ないとされます。
このように正常な親知らずは、口腔内に残しておくと臼歯を失ったときに移植をすることができます。
●傾斜している
まっすぐに生えていないタイプです。
傾き方もそれぞれで前の歯を押すほどに傾いている場合もあれば、かすかに傾いている場合もあります。
傾いて生えることで、半埋伏の状態になっていることもあります。
●埋伏している
・一部だけ見えている(半埋伏)
半分が歯肉の中に埋まっている状態です。
この半埋伏の状態は歯肉が歯に被っていることから、清掃性が悪いことが特徴です。
傾き具合によっては、前の歯を押していることもあります。
歯肉だけ被っているものと歯槽骨も歯の上に被っているケースがあります。
・すべて埋まっていて問題がある(完全埋伏)
歯が完全に埋まっている状態です。
目視では確認できず、レントゲンを撮ることでその歯がどのような状態なのかがわかります。
完全に埋まっている埋伏という状態にも、さまざまな種類があります。
・前の歯を押している(水平埋伏)
歯がほとんど水平に傾いている状態です。
第二大臼歯の方向に伸びるため前の歯の歯根部分を押してしまい、トラブルになるケースが多いことが特徴です。
抜歯は、歯肉を切開するだけでなく被っている歯槽骨を削って行うため、大がかりとなる場合もあります。
・逆向きに埋まっている(逆性埋伏)
反対向きに親知らずが埋まっている状態です。
まれに親知らずにもみられます。
・すべて埋まっていて問題がない
親知らずが埋まっていても、まったく問題がないケースもあります。
非常に小さい状態の場合や伸びてくる様子がない場合、ほかの治療でレントゲンを撮るまでまったく気づかなかったということもあります。
この場合、問題があれば処置する必要がありますが、問題が起こらない場合はそのまま経過観察となります。
親知らずを放置するリスク
親知らずの生え方によっては抜歯の必要があります。
その歯だけでなく周囲の組織に影響を及ぼす場合は、とくに早めの処置が必要となります。
一度炎症を起こしてしまうと、何度も繰り返す傾向にあることが親知らずの特徴です。
そのため、受診時は炎症を起こしていない場合でも、その可能性が考えられ抜歯が必要と判断されることもあります。
親知らずの放置によってみられる症状
●虫歯、歯周病
親知らずは一番奥の歯であるため、歯磨きが難しく虫歯になりやすいことが特徴です。
また、歯に歯肉が被っていることがあるため、内部まで歯ブラシが届きにくく歯周病になりやすいことも特徴です。
このように炎症を起こす部位は、清掃の難しさから一度治った場合でも炎症を繰り返すことがあります。
親知らずだけのトラブルで周囲の歯に影響を及ぼしていなくても、親知らず自体が虫歯や歯周病になりやすいようであれば抜歯を検討することが必要です。
●前の歯の歯根が吸収する
前の歯に向かって親知らずが伸びると、前の歯の歯根が吸収されることがあります。
強い痛みが断続的にあることが特徴です。
ひどくなると親知らずの抜歯だけでなく、手前の第二大臼歯まで抜歯しなければならないケースもあります。
前の歯を強く押していて歯根の吸収が疑われる場合、リスクを考え抜歯が検討されます。
●噛み合わせを悪くする
とくに水平埋伏歯の場合、前の歯を押してしまい噛み合わせが変わることがあります。
そのようなケースでは抜歯がすすめられます。
また、下の親知らずだけが生えている場合や、上の親知らずだけが生えているような場合、向かいの歯がないことでその歯が伸びるケースがあります。
そのような場合、親知らず自体が強く当たることや、反対にほかの歯が当たりにくくなることがあります。
親知らずがあることで噛み合わせに影響が出る場合も抜歯の適応となります。
●嚢胞や膿瘍の原因になる
親知らずの周囲は嚢胞(のうほう)や膿瘍(のうよう)を起こしやすい傾向があります。
含歯性嚢胞という親知らずを含んだ嚢胞になる場合や、親知らずの歯胚によって嚢胞ができる場合もあります。
この付近には下顎の神経や血管があるため、注意が必要です。
●顎骨の炎症
親知らずの周囲の炎症を放置すると、その炎症が顎骨まで広がってしまうことがあります。
とくに下顎骨付近は膿の出口がないことから、骨の内部に沿って炎症が進み顎の中心部分まで炎症が広がることがあります。
頬に瘻孔(ろうこう)という膿の出口の穴が開くこともあるため、早めの治療が重要です。
Yスマートデンタルクリニックでの
親知らずに対するアプローチ
CT
通常のレントゲンや検査のほかに、当院では親知らずの抜歯の前に歯科用CTをお撮りしています。
歯科用CTは、立体的にお口全体を把握することができ、親知らずのすぐそばを通る神経や血管の位置を正確に把握することが可能になります。
血管や神経の位置を立体的に把握することで、抜歯時の出血や神経麻痺などのリスクの軽減につながります。
麻酔
当院ではまず表面麻酔を行います。
そのあとの麻酔の針を入れる痛みをできる限り軽減するために、麻酔が苦手ではない方に対しても表面麻酔をして、その上に浸潤麻酔を行います。
下顎の難しい場所の抜歯の場合は、伝達麻酔を行うこともあります。
当院では極細の針を使用し、針を入れるときの痛みや不快感が少なくなるよう心がけています。
麻酔をしてから効くまでしっかりと時間を置き、 抜歯に入ります。
抜歯
親知らずの抜歯は、状態によって難易度が異なります。
神経や血管に近い場所に埋伏している場合は、出血したときのことを考え、そのあとの手当てが早急に行える総合病院の口腔外科へ紹介を行っています。
抜歯には普通抜歯と分割抜歯があり、分割を必要とする難しい抜歯は下顎に多いです。
上顎の抜歯は比較的簡単に抜歯が可能な傾向にあります。
下顎は、埋伏の状態や歯根の形態、骨と癒着しているかどうかなどにより難易度が決まります。
●普通抜歯
麻酔が効いたら、へーベルという細い道具で歯を歯槽骨から脱臼させます。
そのあと、鉗子というペンチのような道具で歯を抜去します。
必要であれば縫合を行いますが、普通抜歯の場合はそれほど必要とされません。
●分割抜歯
分割抜歯が必要なケースは、おもに横向きに生えている歯に適用されます。
横向きに生えているときはほとんどの場合埋伏をともなうため、まずは歯肉の切開を行う必要があります。
メスで歯肉を切開したあと、必要であれば歯槽骨を削ります。
そのあと、歯冠を露出させ歯根分割、鉗子で歯冠のみを先に抜去します。
第二大臼歯の間にスペースができたら、その隙間から歯根を脱臼させ、鉗子で取り除きます。
また、歯冠と歯根を分割する方法だけでなく、歯を縦に割る方法が行われることもあります。
アフターケア
● ガーゼを噛む
20分ほどガーゼを噛んでいただきます。
これはガーゼを噛むことで創傷部分を圧迫すると、止血が期待できるためです。
20分ほど噛んでいただいたあとは、ガーゼをお取りし、止血しているかどうか確認します。
止血確認が終わってからお帰りいただきます。
● 抗生物質を飲む
受付で抗生物質と痛み止めをお出しします。
抜歯窩細菌感染を起こさないための薬です。
● 抜歯後の注意を受けてください
歯科衛生士や歯科助手が、抜歯後の注意事項・お申し付け事項についてお話しします。
ご帰宅後も、紙に書かれている内容をお守りいただくようお願いいたします。
抜歯後の注意点
麻酔に関して
●1~2時間程度は食事を控える
麻酔が効いていると、唇や頬を噛んでも気がつかないことがあります。
強く噛んでケガをする可能性がありますので、1~2時間程度は食事を控えましょう。
●痛みが出た場合は鎮痛剤を服用する
麻酔が切れると痛みを感じることがあるため、痛みが出た場合は鎮痛剤を服用しましょう。
患部に関して
●患部に刺激を与えない
患部を舌で触る、強くうがいをする、辛いもの、硬いものを食べるなどして、患部に刺激を与えないことが大切です。
●患部をタオルで冷やす
腫れや内出血、痛みが現れた場合は、氷といった冷たすぎるものでは冷やさず固く絞ったタオルで冷やすようにしましょう。
●激しい運動や熱いお風呂は控える
血行が促進され出血が起こる可能性がありますので、激しい運動や熱いお風呂は避けましょう。
●血がにじんだときはガーゼを噛む
1日程度は血がにじむことがあります。
そのような場合は、お渡ししたガーゼを20分ほど強く噛みましょう。
●唇にしびれが出た場合
ときどき下顎の抜歯後の後遺症として、唇にしびれが出ることがあります。
その場合は歯医者にご相談ください。
そのほかの注意点
●抗生物質はかならず飲み切る
痛み止めは痛いときだけお飲みください。
●数日は抜いた反対側で食事をする
歯を抜いた箇所には、数日間空洞がある状態です。
食事による食べかすなどが入ることを防ぐために、抜いた反対側で咀嚼をするよう心がけましょう。
よくある質問
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親知らずの抜歯はどれぐらいの時間で
終わりますか。 -
親知らずの状態によりますが、上顎の簡単な抜歯だと、麻酔から止血まで30分以内で終わることもあります。
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いつまでも血が止まりません。
太い血管が傷ついていないか心配です。 -
唾液が混じると、多く出血しているように見えることがあります。
太い血管が傷ついているような場合は、勢いよく血が出ます。
にじむ程度の出血で太い血管が傷ついているようなことはありません。
確認してからお帰りいただいていますのでご安心ください。
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親知らずはかならず抜歯が必要ですか。
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状態によっては抜かずに済むこともあります。
きれいにまっすぐ生えている場合や、今まであることに気づかなかったほどトラブルがないなどの場合は、抜歯が検討されないこともあります。
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親知らずが生えてきてから、噛み合わせが変わってしまった気がします。
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向かいに親知らずがないと歯が伸びてしまうため第二大臼歯に当たってしまい、ほかの歯の噛み合わせに影響を与えることがあります。
その場合、抜歯が検討されますのでご相談ください。
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どんなときに総合病院の口腔外科が
紹介されますか。 -
親知らずが骨の奥深くにもぐっている際や、変なもぐり方をしている際にご紹介します。
親知らずは神経や血管に近いため出血してもすぐにフォローできることが望ましく、紹介が必要と判断することがあります。
また、全身疾患がある場合も総合病院への紹介になることがあります。
著者 Writer
- 吉本 博
- 【資格】院長・歯科医師
診療案内
MEDICAL
一般歯科
一般歯科では、虫歯や歯周病に対する治療をおもにおこないます。
中でも「痛みのない治療」「可能な限り歯を抜かない治療」を得意としています。
患者様にとって最善の治療を提供できるようカウンセリングにも力を入れています。
予防歯科
近年では痛みが出てからの治療ではなく「痛みを発生させないための予防治療」が大切とされています。
どれだけ丁寧に歯磨きをしていても、歯には汚れが残っています。
予防歯科ではセルフでは取り除けない汚れをプロの手によって除去していきます。
審美歯科
審美歯科は歯の美しさを追求する治療で、代表的なものとして「ホワイトニング」が挙げられます。
当院ではその他にも「ラミネートべニア」や「セラミック」「ダイレクトボンディング」といったさまざまな治療をご用意しています。
小児歯科
幼少期の歯の健康は、大人になってからの歯に強く影響します。
長く健康的な歯でいられるためにおこなう子どもへの治療を小児歯科と呼びます。
当院では子どもが歯医者を通いやすいような取り組みに力を入れています。
口腔外科
口腔外科の治療で知られているものは「親知らずの抜歯」ではないでしょうか。
その他にも実は「インプラント」や「顎関節治療」もこの口腔外科の診療科目に分類されます。
当院ではお口の機能面・審美面どちらもバランスの取れた治療をご提案します。
歯周病治療
歯周病は自覚症状がみられた時にはかなり重症化が進んでいます。
「歯ぐきから血が出る・しみる」といった症状がみられる場合は歯周病の可能性があります。
当院では原因となっている歯石の除去を丁寧におこない改善を図ります。
虫歯治療
歯を失う原因の多くが「虫歯」になります。
当院ではマイクロスコープといった最新の機器を使用して長く歯を残せるような治療をご提案します。
治療の痛みが苦手な方にも麻酔を施してからおこなうなどして、不快感の少ない治療を心がけています。
根管治療
根管治療とは歯の神経に達した虫歯に対しておこなう処置を指します。
根管治療は非常に高度な技術が求められる治療ですが、当院では最新の機器を導入し施術にあたっています。
患者様の歯をなるべく抜かないような治療をご提案します。
義歯・入れ歯
良い入れ歯を手に入れるためには、医師の技術と技工所との連携がとても重要です。
当院では権威のある技工所と提携し、患者様のお口に馴染みやすい入れ歯・義歯の提供をしています。
入れ歯・義歯の提供だけでなく、使い方やお手入れ方法も丁寧にお伝えします。
インプラント
インプラントは歯の機能性・審美性の両方を追求した治療法です。
1本から対応できる治療で、治療の際に他の歯を削ることがほとんどないため、健康的な歯をそのまま維持できることもメリットです。
患者様がしっかりと治療内容を理解できるよう、説明も丁寧に行います。
ホワイト
ニング
当院のホワイトニングは、光照射を必要としないホワイトニングをおこなっています。
ホワイトニングの効果を最大限に発揮するために、治療前の歯の清掃にもとても力を入れています。
患者様のライフスタイルに合わせて最適な審美治療を提案します。
ボトックス
治療
ボトックス治療は、ボツリヌス菌と呼ばれる菌を活用し筋肉にアプローチします。
顎関節症や噛み合わせ不良に対して良く行われる治療の1つです。
身体の状態によっては治療がおこなえない方もいらっしゃるので丁寧な治療説明をいたします。
当院のご紹介
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